このニュースを見るだけで、めっちゃめちゃダメ男の役柄が伝わってきますねー。楽しみです。
俳優・森山未來の主演、高良健吾との共演で、第144回芥川賞を受賞した西村賢太氏の小説『苦役列車』が映画化されることが2日、わかった。森山は、恋人も友人もいない、日雇い労働でその日暮らしをしている役どころに、「台本を読んだときに『モテキ』に続いて、またダメな男の役をやるんだ」と苦笑い。「2011年はこのダメ男で締めくくることにしました(笑)」と覚悟を決め撮影に臨んでいるようだ。
原作者の西村氏といえば、今年2月の芥川賞授賞式で「(一報を受けたとき)そろそろ風俗に行こうかなと思っていた…」という発言が話題になったことも記憶に新しい異端の作家。同作の主人公・北町貫多は西村氏自身の分身とも言われている。
舞台は1987年。19歳の貫多は中学を出て以来、日当5500円の港湾での日雇い労働にすがって、その日暮らしの生活を続けている。貫多には彼女も、友人もいない。そんなある日、港湾労働で知り合った専門学生・日下部正二(高良)に久々に友情めいた感情が生まれる。だが、将来の選択肢が豊富な日下部に対して猛烈な嫉妬を抱くようになる。さらに、密かに想いを寄せる古本屋店員・桜井康子からも拒絶されてしまう。ひたすら酒と風俗に溺れ一人取り残された貫多は、唯一、人生で興味を持ち始めた作家の作品を片手に、筆を執り始めたのだった。
主演の森山は「『モテキ』とは主人公の置かれている環境が違うのですが、まっすぐに一生懸命生きたい。というのは皆が多く感じていることですよね。『苦役列車』の貫多は、身近にいたらめんどくさいし、絶対友達にはなりたくないタイプかもしれませんが、生命力があって、たくましく感じます」と自身の想いを明かす。
一方、日下部役で共演する高良は、『白夜行』『軽蔑』など、デビュー5年で20本以上の出演映画に加え、今年はNHK朝の連続テレビ小説『おひさま』に出演し、ファン層を広げた。森山とは過去に同じ作品に出演していても、シーンで絡んだことがなく、「森山さんのこと大好きなので、緊張しています。今回がっつり共演するのは初めてなので、足引っ張らないように、しょっぱい感じにならないように、頑張ります」と意気込む。
メガホンをとるのは『天然コケッコー』『マイ・バック・ページ』の山下敦弘監督。西村氏も「この小説には、大向こう受け(歌舞伎の用語で見巧者の客の意)する要素が一切ない。多彩な登場人物もなければ、起伏に富んだストーリーもない。一人の落伍者の内面描写が眼目だから、いわば活字でしか成立し得ない世界だ。しかし、これを異能の山下敦弘氏が手がけられると聞き、その映像化への危惧は霧散した。すべてを委ねた上で、客観的に完成を待ちたい」と期待を寄せている。2012年公開予定。
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