現代の問題を面白く表現しているみたいですね。
「下流の宴」NHK総合 火曜午後10時
「人間は努力しなくてはいけない、こういう家庭を築かなくてはいけない、そんな確固たる価値観を持つ人。まったくぶれない」
黒木をもうならせる“モーレツ主婦”、福原由美子が今回の役どころだ。普段の芝居では、「こういう時はどっちなのだろう」と悩む瞬間があるというが、「由美子の場合は、自分の価値観をどうまっとうしようかという悩み。揺るぎない役作りをすることができました」と笑う。
「人間は十努力すれば二十にも三十にもなる」「下流に落ちるな」。幼いころから母(野際陽子)にそう教え込まれた由美子は、わが子の教育にも熱心。しかし、息子の翔(窪田正孝)が高校を中退。同じフリーターの彼女(美波)と結婚をすると言い出してしまう…。
「私は昭和の人間ですので、努力をしなさいと言われて育ったし、努力すること自体嫌いじゃない。でもこの間、娘に『勉強しなかったら、つまらない男と結婚するのよ、そしたらあなたの人生つまらないわよ~』っていう由美子のセリフをふざけて言ってみたら、『いいもん』って(笑)」
豊かな日本に生まれ育った子供たちにとって、努力しない将来がどんなものなのか「リアリティーが持てないのかも」と、分析も加える。
一定水準の学歴、会社に身を置くことこそ幸せだと信じる由美子にとっては、覇気がなく、物欲も金銭欲もない息子は歯がゆくてならない。テキトーに生きているように見える息子の彼女など、論外の存在だ。
見どころはなんといっても、息子の彼女とのバトル。コミカルな演技を見せているが、「相手のセリフに共感しないよう、私が一番正しい!と思うように心がけています」と意外な苦労もあるようだ。
物語に登場する子供たちは、日本の一部の若者像とだぶるが、東日本大震災後、「子供たちの考え方が変わった」と感じている。
「人のために役立ちたいとか、自分にできることはないかと思い始めたのではないでしょうか。このドラマが『努力って必要だよね』という“希望”に変わってくれたらうれしいですね」
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