怖そう・・・こういうのって、犯罪を助長したりしないのかね?
現在では、放送倫理の観点などから残虐シーンが描かれるテレビや映画は少なくなった。しかし、かつては今では考えられないような残酷シーンを満載した作品が洋邦問わず大量に制作され、恐いもの見たさから大ヒットをする映画も少なくなかった。残酷系ドキュメンタリーの先鞭をつけた『ヤコペッティの残酷大陸』(71)や、「本物の殺人が描かれてるらしい」という触れ込みで日本でも公開された『スナッフ』(76)など、特に1970年代に多感な少年時代を過ごした映画ファンの中には、これらの作品に触れてしまいトラウマになった人も多いだろう。
そんな海外産残酷系映画のヒットを受け、当時の東映は急遽、残虐時代劇を量産。日本映画が斜陽の時代を迎えていた1975年から77年にかけて過剰なエロ・グロを盛り込んだ映画を作り続けたのが、牧口雄二監督である。大学卒業後に東映に入社すると、1975年に『玉割り人ゆき』で監督デビュー。東映が低予算のエロ・グロ路線に突き進む中、サービス精神旺盛なやりすぎな描写と、繊細で抒情性にあふれた映像美で、当時の映画ファンから高い評価を得た。そんな彼の代表作『徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑』『女獄門帖 引き裂かれた尼僧』『毒婦お伝と首斬り浅』『戦後猟奇犯罪史』が2月21日(土)にDVDとして一挙リリースされる。
『徳川女刑罰絵巻』は、隠れキリシタンを弾圧するサディスティックな長崎奉行と、女郎と青年の逃避行を描くオムニバス。劇中で描かれる牛裂き(罪人の両足を2頭の牛の角と縄でつないで牛を走らせる)や鋸引き(罪人の首を鋸で引く)といった残虐シーンの異常なテンションの高さに注目だ。さらに『戦後猟奇犯罪史』では、当時大流行したワイドショー番組「ウィークエンダー」を意識した構成や、若き日の泉ピン子の嬉々とした演技も見どころだ。
特に今回初のソフト化を果たした『徳川女刑罰絵巻』は海外でもカルト的な人気を博しており、日本ではVHSすらリリースされていなかったにもかかわらず、海外盤DVDが発売されているほど。一部の映画ファンの間では語り草だった伝説の作品の解禁となる。今でも色あせない衝撃を、是非あなたの目で確かめてほしい。
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