2012年2月9日木曜日

渡辺謙、政治的発言は俳優として危うさを実感するも「今後も臆せずに発言をしたい」と決意を明かす

いやー、謙さんに言われたら納得しちゃうよね。説得力があるよ。


 9日、渋谷の劇場で映画『はやぶさ 遥かなる帰還』新社会人ティーチイン試写会が行われ、渡辺謙が「海外で働くためには?」など学生たちの質問に真摯(しんし)に応えた。


 この日の会場には、これから社会へはばたく大学4年生、そして就職活動にいそしむ大学3年生、およそ50人が来場。本作が内包する「どんな困難に立ち向かってもあきらめない」というテーマを若者たちに伝えたいとする渡辺は、学生との対話を重視。一人でも多くの学生の意見を聞くために、積極的に発言を促した。

 2009年5月の東京新聞に「政治家たち将来像を語れ」と投書するなど、渡辺には言うべきことはしっかりと述べる俳優という印象がある。「これは海外で仕事をするようになったから?」と聞かれると、「投書をしたのは湾岸戦争のころからなので、そうではなく、年を重ねたから」と切り出した。当時は闘病中で、テレビで観た戦争の映像にベッドの中で震えるような思いをしたそうで、「確かに俳優という職業で、発言をすることに危うさは感じている。しかし社会人という意味では僕は皆さんと何も変わらない。いち社会人としてこれからも臆せずに発言をしたい」と決意を語った。

 また、商社に内定が決まった学生から「海外で仕事をする上で日本人ということを意識するか」と聞かれると、「日本人が思うほど、向こうは僕らのことを日本人だとはあまり思っていない」と渡辺。海外で活躍するためには、自分の考えを大切にする“繊細さ”と自分の考えと違うことを受け入れる“鈍感さ”が必要だとアドバイスを送った。

 懐の深い渡辺の発言に圧倒された様子の会場内から「最初からそんな度量が大きかったのか?」と問われると、渡辺は「そりゃおれだって成長したからね。若いころは求められることと自分の出来ることのギャップで息苦しくなった」と笑った。「若いときの幅は少ないけど、絶対に成長するんだと信じて日々を過ごせばいい。常に完成しなければとあわてると息苦しくなるからね」と若者たちにエールを送った。

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