真面目に走ってくれよ、カンボジアの人に対して物凄く失礼だ。
カンボジア国籍を取得しロンドンオリンピックのマラソンに出場が決まった、お笑い芸人の猫ひろしさん(34)に対し「オリンピック出場を辞退させよう」との呼びかけがネットで広がっている。
スポーツ選手が国籍を変えるのはままある話だが、猫さんのマラソンの実力はそれほどではなく、カンボジアの有力選手の出場枠を「奪った」ようなもので、カンボジアに貢献するどころか恥をかかせてしまうことになりかねない、という理由からだ。
■「ニャー」で勢いをつけ、ゴールで一発芸をかます
猫さんは2012年3月26日にオリンピック出場の会見を東京都内で行った。ここでは「あくまで芸人として五輪の舞台に立つ」ことを宣言した。スタートの「ニャー」で勢いをつけ、ゴール後に最高の一発芸をかますのだと言う。
2012年2月5日に行われた別府大分毎日マラソンでは50位で、自己記録を7分縮める2時間30分26秒だった。カンボジアにはマラソンでオリンピック出場の基準を満たす選手はゼロだが、「特別枠」として猫さんが選ばれた。
本格的にマラソンを始めてから4年。今後はオリンピックに向け日本をベースに調整を行い、お笑い芸人も続けていく。カンボジアにはレースがある時に帰国する。
4月半ばにカンボジアで五輪選手団の会見が行われ、そこに参加する予定になっているが、ネットでは「猫ひろしにオリンピック出場を辞退させよう」といった呼びかけが起こり、それが拡大している。理由は、記録がオリンピックレベルではないのに国籍まで変え出場を決めたのは何か裏があるのではないか、という「疑惑」だ。また、元日本人がカンボジアに恥をかかせてはいけない、というのもあり
「猫ひろしが選ばれる訳が無いんだよ、本当はな」
「カンボジア代表なら、日本から出てカンボジアに住んでから国を背負って出て欲しいわ」
「問題なのは売名行為、カネが絡んでいるのが見え見えな上、他国の出場枠を奪い取り、スポーツの祭典をギャグとやらで侮辱すると公言している事」
といった批判が展開されている。
■「日本人もここまで堕ちたか」と曽野綾子
猫さんのオリンピック出場に関してはネットだけでなく、例えばカンボジアのマラソン選手を日本の大会に招待したことがある元五輪銀メダリストの有森裕子さん(45)も各新聞のインタビューで、
「今も頑張っているカンボジアの選手に出場してほしかったし、日本人に代表を譲る選手を思うと悔しい」
と訴えている。
作家の曽野綾子さん(80)は「週刊現代」の2012年3月17日号で、猫さんがカンボジア人になれば五輪に出られると決めていたとすれば、あまりに軽くて、常識的な人間だったら考えられない行為だ、と批判している。国籍を巡るエピソードはその人の生涯をかけた命がけの選択だ、と強調してこう語る。
「五輪の後に日本国籍を取戻そうという安易な心づもりであるならば、その軽薄さには、日本人もここまで堕ちたかという感じですね」
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