確かに、そうだよなあ・・・泣いてたって、どうしようもないもんね。勉強になったなあ。
25日、スペースFS汐留で映画『毎日がアルツハイマー』完成記念試写会が行われ、関口祐加監督、キャスターの町永俊雄氏によるトークショーが行われた。
大学卒業後にオーストラリアに渡った関口監督は、オーストラリア在住の映像として、ドキュメンタリー『戦場の女たち』『THE ダイエット!』といった意欲作を発表。『ブロークバック・マウンテン』のアン・リー監督にそのコメディーセンスを絶賛されるなど、国際的に活躍してきた。
しかし、2010年1月、母親の介護のために29年過ごしたオーストラリアから帰国。その後、アルツハイマーにかかった母親をカメラに向け、その日常をYouTubeで配信した。動画内での、ユーモラスなやりとりが話題を集め、およそ20万人がその動画を視聴。本ドキュメンタリーは、その多数の動画を「長編動画」として一本の作品にまとめたものである。
アルツハイマーの母親にカメラを向ける関口監督であるが、画面に映る母親・ひろこさんの、ざっくばらんでチャーミングな姿からは、悲壮感はまったく感じられない。「とにかく認知症になった母が大好きなんです。かつての母親は、生真面目で固くて、口うるさい人だった。でもアルツハイマーになったことで、ものすごくさばけて、気取らない性格に変わった。そう思ったときに、魅力的な被写体がここにいたと感じたんです」と母親にカメラを向けたきっかけを語る。
オーストラリアで過ごしてきた関口監督は、日本の介護の現状を「悲観的な人が多いように思う」と指摘する。「結局、介護される側の問題ではなくて、介護をする側の問題だと思う。日本人って介護であっても100点でなきゃという人が多いけど、60点でいいと思う」と語る。そんな関口家には、笑いが絶えないようで、「笑うことは武器ですよね。うちの子どもも『おばあちゃん面白くなったなぁ』と言ったりして、おばあちゃんが大好きなんですよ。うちの母もうるさい娘よりも、孫の方が文句なしにかわいいと言いますからね」といって豪快に笑う関口監督。そんな人柄が伝播したのか、この日のトークショーでは、集まった観客からも笑顔も絶えなかった。
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