まだ、避難生活を送っている方がいることを考えると、時期尚早な気も・・・
ふたりの映像作家が東日本大震災直後の3月に宮城県と岩手県の被災地に入り、現地の模様を映像に記録し、作品として完成させた。知人のいる石巻に行きそこに生きる人々の言葉を収めた『大津波のあとに』、そして、被害に遭った自らの家族や町の風景に、震災前の日常の映像を重ね合わせた『槌音』だ。両作品が9月1日、2日に東京都・渋谷のアップリンク・ファクトリーで上映される。
8月18日に同会場で行われた最初の上映会は、東京在住の岩手県・宮城県出身者やボランティアとして現地に赴いた人など、様々な思いを持った参加者により満員を記録し、熱気に満ちたイベントとなった。「これまでテレビや新聞で震災の模様はたくさん見てきましたが、今日観た映像がいちばんリアルで心に響きました」「一家族の何気ない映像を通して、この何万倍もの暮らしが根こそぎ流されてしまったという事実が胸に迫った」などの感想や意見が寄せられた。
岩手県大槌町出身で、東京の大学で映画学を学ぶ大久保愉伊さんは、震災から2週間ほど経った3月末の週に帰省。持っていたスマートフォンで地元の様子を撮り始めた。「現実を受け入れられない、夢心地な気分が永遠に続いているような感じがしました」。大久保さんは東京に戻ったあと、実家から持ちだしていた震災前に撮っていた映像を観直し、311前の大槌町や家族の日常を交錯させる構成を決めた。
普段は劇映画の助監督を務め、『大津波のあとに』は初のドキュメンタリーとなる森元修一さんは「あまりにも震災の規模が大きいし、町によっても様子が違います。僕は被災地の外から来た第三者としての視点、大久保さんはそこで生まれ育った人間の視点。異なる視点の2本の作品を一緒に上映することで、少しでも見えてくるものあればいいと思ったんです」と語っている。
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