2011年7月31日日曜日

「間違いだらけのクルマ選び」5年ぶり復活

批評が読めるものって、貴重だもんなー。

 30年にわたって毎年刊行され続け、平成18年に「日本車をよくするという当初の目的を果たした」とする「最終版」で幕を閉じていた自動車批評書『間違いだらけのクルマ選び』が5年ぶりに復活、『2011年版』(1470円)として6月に刊行された。もともとの著者、徳大寺有恒さんが今回、新たにパートナーとして若手の島下泰久さんを指名し、共著という形での再スタートとなった。読者からは「いろいろなクルマを1冊に収めた批評本があまりないなか、復活してくれてありがとう」との声が多く寄せられているという。

 草思社の編集担当、久保田創(はじめ)さんによると「この5年でハイブリッド車や電気自動車が次々に登場し、中国や韓国のメーカーが台頭してくるなど、クルマをめぐる環境が大きく変わってきた」ことが、復活の原動力となった。「若者の“クルマ離れ”が指摘されるが、東日本大震災の被災地で役立ったようにクルマ依存はむしろ強まっている。興味が持たれることなしに依存が進む状況を打破したかった」と狙いを話す。発売1カ月で5刷6万部と順調な滑り出しだ。

 「メーカーの広告が載る雑誌では存分に批評できない」と徳大寺さんが原稿を持ち込んだのが、昭和51年にシリーズが始まるきっかけだった。その原点を示すため、草思社ではシリーズ第1、2作をホームページ上で公開。今年末には『2012年版』を発行し、以降も毎年刊行していく予定で、久保田さんは「当初から読者に愛されている辛口路線を続けていくとともに、クルマの将来を読み取る役割も果たしていきたい」と話している。

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